「大吟醸が一番うまい」とは限らない

「大吟醸が一番うまい」とは限らない 日本酒

「大吟醸」
その響きに日本酒好きはドキッとするだろう。

さらに、純米の冠が付く「純米大吟醸」はその蔵を代表する本気のお酒である。
杜氏の魂が込められたお酒が美味しくないはずがない。
大吟醸と呼ばれる日本酒は原料のお米をたくさん削っているから、美味しい。

果たして、本当だろうか?

結論からいうと「大吟醸だから美味い」はちょっと残念な考えである。

大吟醸っていったい何なの?

大吟醸酒とは、原料が米、麹、醸造アルコール、水で仕込まれたもので、原料米の精米歩合50%以下のものをいう。

・・・一般的には日本酒造りに適した酒造好適米を使う

・・・お米に麹菌を繁殖させたもの
(例)大豆+納豆菌→納豆、、牛乳+乳酸菌→ヨーグルト、お米+麹菌→麹

醸造用アルコール・・・簡単に言うと焼酎、主にサトウキビが原料にされている、日本酒通には目の敵にされがちだが、嬉しい効果もちゃんとある

・・・日本酒の半分以上は水。硬水か軟水かで酒質が変わる

精米歩合・・・原料米の削り具合、たくさん削るほど原料コストかかるため高級とされる

どうしてお米を削るの?精米歩合の謎?

お米を削って、削って、磨いていくと高級そうな気がする。
ダイヤモンドだって磨かないとただの石ころだし、磨くことで誰もが憧れる輝きを放つ。

だが、お米は宝石でもないのにどうして磨くのか?

普段食べる白米を考えてみて欲しい。玄米の方がビタミン、アミノ酸、食物繊維など多くの栄養素が含まれているのにその部分を削り食べている。スーパーにも玄米よりも白米が多く並ぶ。

無洗米に至ってはさらに表面の糠(ぬか)を取り除いているので、お米を炊く前に洗う必要すらない。
精米歩合が70%、60%、50%と下がっていくとどうなるのか。

国税庁による「清酒の製法品質表示基準」の概要によると
お米を削って、削って、磨いていくと高級そうな気がする。
ダイヤモンドだって磨かないとただの石ころだし、磨くことで誰もが憧れる輝きを放つ。

だが、お米は宝石でもないのにどうして磨くのか?

普段食べる白米を考えてみて欲しい。玄米の方がビタミン、アミノ酸、食物繊維など多くの栄養素が含まれているのにその部分を削り食べている。スーパーにも玄米よりも白米が多く並ぶ。

無洗米に至ってはさらに表面の糠(ぬか)を取り除いているので、お米を炊く前に洗う必要すらない。
精米歩合が70%、60%、50%と下がっていくとどうなるのか。

国税庁による「清酒の製法品質表示基準」の概要によると

米の胚芽や表層部には、たんぱく質、脂肪、灰分、ビタミンなどが多く含まれ、これらの成分は、清酒の製造に必要な成分ですが、多過ぎると清酒の香りや味を悪くしますので、米を清酒の原料として使うときは、精米によってこれらの成分を少なくした白米を使います。ちなみに、一般家庭で食べている米は、精米歩合92%程度の白米(玄米の表層部を8%程度削り取る。)ですが、清酒の原料とする米は、精米歩合75%以下の白米が多く用いられています。特に、特定名称の清酒に使用する白米は、農産物検査法によって、3等以上に格付けされた玄米又はこれに相当する玄米を精米したものに限られています。

「清酒の製法品質表示基準」の概要
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/hyoji/seishu/gaiyo/02.htm

つまり、お米の表面部分は日本酒の味になる部分であり、削るほど軽くてクリアな味わいになりやすいということだ。

吟醸と大吟醸の違い

この違いについては、精米歩合の差です。

吟醸・・・精米歩合60%以下
大吟醸・・・精米歩合50%以下

となります。

先ほどお伝えしたように、米の表層部には、たんぱく質、脂肪、灰分、ビタミンなどが含まれますので、削っていくほど出来上がる日本酒の味が軽くなっていきます。

精米歩合60%以下の段階で、40%も米粉になってしまうのですが十分すぎるのですが、この10%が違うとまた一味変わります。

スッキリとした味わいが好きなら大吟醸の方が良いのですが、吟醸も侮ることはできません。同じ蔵の吟醸と大吟醸を飲み比べてみるとよいでしょう。

ボディがあって、飲みごたえがある方が良い方にとっては吟醸の方が好みの場合も多いです。

純米大吟醸と大吟醸の違い

この違いについては、醸造用アルコールの有無です。

純米大吟醸・・・精米歩合50%以下、アルコール添加あり
大吟醸  ・・・精米歩合50%以下、アルコール添加なし

純米大吟醸の方が、高級なイメージがありますが大吟醸もいいところがたくさんあります。

大吟醸の方が

・フワッと華やかな香りがしやすい
・すっきりと後味のキレが良い
・保管時の味が変化しにくい

これは醸造用アルコールの効能です。醸造用アルコールを毛嫌いしていると損しますのでお気を付けくださいね!

ちなみに純米大吟醸と大吟醸のカテゴリーが分かれていない、全国新酒鑑評会で金賞を受賞できるのは大抵大吟醸酒です。

まぁ、全国新酒鑑評会は美味しいナンバーワン決定戦ではなく、減点方式なのでインパクトのある攻めた日本酒はなかなか受賞できないとか。

大吟醸がナンバーワン?

さっきと重なる部分もありますが、大吟醸のお酒の大まかな特徴としては

・フワッと華やかな香りがしやすい
・味が軽い、ほんのり甘い
・すっきりと後味のキレが良い
・保管時の味が変化しにくい

果たして、あなたはこのお酒タイプが好きですか?

「とりあえず」高級そうだから。という理由で、選んでしまっていませんか?

・フレッシュで甘酸っぱい日本酒
・程よい苦味のグレープフルーツを感じる日本酒
・ふっくらとしたお米の甘さを感じる日本酒
・どんな味なのか飲んでみるまでわからないワクワク感

あなたがこうしたものを望んでいるのなら、大吟醸のお酒を購入しない方が良いかもしれません。
大吟醸って良くも悪くもエリートさんが多いので、当たりハズレの差が小さいです。

大吟醸のお酒の選び方

「じゃあ、実際にどうやって選んだらいいんだよ」です。

見るべきポイントは
①見た目
・・・人間の五感は印象によって左右されるので、自分が心ときめくものを買うとよいです。


②産地
・・・「〇〇酒造って〇〇県なんだ!」と、日本の地理の勉強になります。
そして、その蔵のエピソードをつまみに一杯やりましょう。

そして①②より大事なのが、店員さんに聞く、です。

もうこれが最重要。
こんなことを言ってしまっては身もふたもないのですが、日本酒って全部違います。

たとえば町のラーメン屋さん。
同じ人が作っているのに、塩ラーメンと味噌ラーメンはまったく別物です。そして期間限定のメニューもあるでしょう。塩ラーメンは大人気でTVで取り上げられていたとしても、みそみそラーメンも美味しいとは限りませんよね。(不味い可能性は低いですが、、)

日本酒も同じで、同じメーカーから発売されているものでも、味はすべて違いますし、飲んだことがある人に聞くのが一番です。

そういった意味では、ネットで検索するのも良いですね。蔵のホームページはもちろんですが、SakeTimeというすばらしいサイトがあるので、そこで大抵の情報は揃います。

ー初心者は特に注意!
冷蔵保管がされていないお酒は基本的に買わない方がよいです。
日本酒は発酵飲料ですので、菌の働きで作られたものです。
とても繊細なバランスで成り立っていますので、常温で保管していると味が変化します。
特に「生酒」は繊細な飲み物です。

なので、日本酒は基本冷蔵保存です。理想はマイナス5℃での保管。最低でも冷蔵庫には入っていないと劣化が進んでいくと考えてよいです。

※上級者はあえて日本酒を常温で寝かせて、熟成させるという方法もありますが、例外ですのでそんなことをして喜ぶ人はまずいません。冷蔵庫に入れきれないという酒販店側の都合でしかありません。品質にこだわっている酒蔵は、日本酒の保管や販売の環境を確認し、満足いく水準の酒販店としか契約しないということも多いです(特約店契約)。日本酒は常温でも大丈夫と思われがちですが、非常に繊細な飲み物ですので冷蔵庫に入れましょうね。

さけ夫婦が感動した大吟醸

ここまでつらつら書いてきましたが、僕たちさけ夫婦が感動した大吟醸の発表です。

・・・

ドゥルドゥルダカダカ、ダン!!!

福井県黒龍酒造 しづく(2021)!!!

北陸のズワイガニと合わせて飲みたい一杯。
肝心のお酒は透き通った見た目通り、全身にスッとめぐります。
酸は少なく、フルーティーな香りもほとんどない。もちろん雑味など一切なく上品な味わい。
お酒だけ口にすると、「あれっ??こんなもんか」と思うほど、美味いけれど・・・どこか物足りなさを感じるんです。普段、無濾過生原酒を多く飲む僕たちみたいな人にとっては少し薄く感じるはず。

けれども、カニに合わせた途端、ぶわっと世界が変わるんです。しずくが完全にカニの旨味増幅装置に。広がる旨味、カニの存在感を存分に引き出しつつ、自分の最低限の主張をする。口の中でだらだらと余韻が残らないようにスッと切れるのもしずくの魅力。

「あれ、、もう口の中にいない」と寂しくなるので、思わずもう一口。もうこの無限ループから抜ける術はないです。もし、他のお酒であれば、このバランスは生まれないと思います。
ということで、ただのカニと合う日本酒紹介になってしまいましたが、しずくは最高の日本酒の一つだと胸を張って言えます。

まとめ

買う前は、詳しい人に聞いてみる。そして飲んでみる。相性の良いごはんと一緒に合わせてみる!

とにかく飲もう。一緒に飲もう!

あなたと、楽しくお酒を飲み交わせる日を楽しみにしています。

(記事:夫のサニー)

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